ニッカウヰスキー 余市蒸溜所【試飲あり】|北海道余市町
混和室
蒸留塔の横にあるリキュール工場(現在は混和室)。こちらではウイスキーの樽ができるまでを解説してありました。
ウイスキーの樽の歴史は18世紀ごろ。当時スコットランドでは重い酒税がかけられており、それに困った人々が樽に詰めて密通したのがそのはじまり。時が経ち隠していた樽をあけるとウイスキーは琥珀色になり、芳香をまとっていました。それまでのウイスキーには熟成という工程がなく、偶然それが生まれたんですね。
ウイスキーに使われる樽の種類はバレル・ホッグスヘッド・パンチョン・シェリーバットの4種類。樽はメンテナンスを施しながら4回使用され、リサイクルされます。
ウイスキーの樽が出来るまでの説明もありました。
まずは原木を大きめに切り出します(大割)。
大割した原木を小割りにして自然乾燥。
小割にして乾燥した木を2〜3時間蒸して型に入れてプレスし、カーブさせます。ここが上手くいかないと板の間から液が漏れてしまう。最も重要な工程です。
そうして出来た板を立て、箍(タガ)に沿って1枚ずつ増やして樽の形に組み立てていく。その後、側板の内側に溝を切り込みます。
次は底板の作成。材料を平らに削って合釘を使って合わせる。そして樽の溝に合うように厚みを調整して削ります。細かい作業ですね。
溝の片側にガマを入れ、底板の片方を組み込み、残りの片方にガマを組み込んでから樽の内面を焼きます。
そして残った片方の底板を組み込む。ガマは漏れを防止するパッキンの役割を果たすそうです。
そして箍(タガ)を締めて完成。
樽は日の目を見ることはないですが、先人たちの工夫と職人さんの技術が詰め込まれてます。こちらも手間暇かけて作られているんですね。
樽の製造には様々な道具が使われています。
樽にウイスキーを詰めて終わりではありません。まず樽を積みます。重労働ですね。貯蔵中もサンプリングや点検が必須です。そして時がきたらようやく樽出しして、樽からウイスキーを取り出す。こうして樽の中でウイスキーは無色透明から琥珀色へと変貌を遂げ、芳香を身にまとうのです。
使われていた樽のサンプル。長い年月を感じます。
こちらは樽から出したウイスキーを貯蔵するタンク。
混和部門とは原酒を樽に詰めたり、原酒を樽から出す作業を担当されています。仕事中に原酒の香りを楽しめるのが魅力だそう。
蒸留工程では石炭を使用して全て手作業で行われているそうです。腕が焼けそうになるため、作業中はどんなに暑くても半袖はNG。命がけの大変な作業ですね。
品質管理部門では原酒の成分分析や酵母の培養をされています。酵母はそれぞれの仕込み毎に培養。この妥協のない姿勢がニッカのウイスキーの品質が保たれているわけですね。
余市はウイスキーの理想郷といわれるスコットランドと同じ条件が揃っているそうです。
ウイスキーは樽の中で香味が豊かになり、琥珀色へなっていきます。この琥珀色のもとになるのは樽材成分の色素。これが貯蔵中にウイスキーへと溶け出していくそうです。樽のサイズや環境などによって色は変化する。奥が深いですね。また熟成のメカニズムは全ては解明されておらず、人の手ではまだ不可能。自然に神秘によってのみウイスキーは完成されるのです。
普段は出来上がったウイスキーしか目にすることはないですが、たくさんの縁の下の力持ちのお陰で成り立っているんですね。知らないことばかりで、勉強になりました。
次ページには旧竹鶴邸で公開されていた竹鶴夫妻ゆかりの展示をまとめました。
- スポット名ニッカウヰスキー余市蒸溜所
- 料金無料
- 住所北海道余市郡余市町黒川町7-6
- 北海道余市郡余市町黒川町7-6
- 電話番号0135-23-3131
- 営業時間9:00〜17:00
- 休業日年末年始の2週間ほど(要確認)
- 駐車場ニッカウヰスキー会館前(無料) 町営駐車場(有料)
トップページへ
週間ランキング
ランキングをもっと見る