住居が丸ごと蔵造り!佐藤又六家|秋田県横手市増田
蔵が住居になっている佐藤又六家
秋田県横手市増田にある佐藤又六家に行ってまいりました。中七日町通りにあります。佐藤又六家は350年もここにお住まいだそうで、現在のご主人は12代目。この蔵を建てらたのは8代のご主人で、1868年(明治元年)の着工。1871年(明治4年)に完成した、この辺りでは2番目に古い蔵だそうです。
幅は三間(一間は約1.818メートル)で奥行き十間半。かなり大きなお宅です。増田の街のちょうど真ん中くらいに位置している佐藤又六家。江戸時代には5度も大火があったため、延焼を防ぐ目的で住まいを蔵にされました。この形は佐藤又六家が唯一ということです。
住居の蔵の一階
蔵の入口になる大戸(おど)を通って中へ。
一番手前にあった仏間。奥は納戸でしょうか。こちらの空間は全体的に天照大御神を表しているそうです。
飾ってある屏風の絵も見事ですね。
こちらは神棚です。中央の鏡は銅製。木鼻や斗栱(この写真でいうところの鏡の上のほう)には太陽を表す雲、蛇、巫女が描かれています。
こちらは客間。仏間や客間は柱も外すことができ、ひとつなぎにすることができます。昔はここで冠婚葬祭を行っていて、ご主人も結婚式を挙げられました。
この蔵が完成した時に購入されたアメリカ製の時計が掛けてあります。
なんだか箪笥やストーブも趣がありますね。
こちらも客間になるんでしょうか。
横座(よこざ)はご主人の座る席だそうです。
端からみた様子。仏間と客間をつなげるとけっこうな広さになりますね。
これはお客様用の傘になるそうです。
台所跡
昔は蔵の外にあった台所の跡。ここは江戸時代に建てられたものだそう。現在の台所はここではないそうです。
ちょっと写真が暗くて見にくいんですが、丸太二重の梁は防腐のため柿渋が塗ってあり、ススと相まって黒くなっています。
間の部屋
住まい蔵から外蔵(とくら)の間にある、ご主人のおばあさんが作った部屋。嫁入り道具の人形も置いてあります。
外蔵前の展示スペース
外蔵の前にあった佐藤又六家の歴代当主の肖像画。
10代のご主人愛用の品々。
明治時代に佐藤又六家のご主人が小学校で使用されていた教科書です。
外蔵
そしてこちらが外蔵。
外蔵は江戸時代後期の建築で約170年も前のもの。増田の街で一番古い蔵だそうです。もともとは外蔵の奥にも蔵がありました。入口から奥までの距離はなんと約110メートル。広すぎます。
住居の蔵の二階
客間の向かいにある階段をあがってすぐは渡り廊下。
もともとは灯りがなかったため暗い場所でした。そのため漆喰も塗っておらず、梁も削った跡が残ったままです。
現在は電気があるので明るいですね。先ほどの神棚もよく見えます。
この四段重ねの梁は珍しいそう。渡り廊下から向かって左のこの梁の一番下はヒノキ。
そして向かって右の一番下は松。他は杉を使用されているそうです。
渡り廊下の先には客間。
床の間もあり、けっこうな広さを誇っています。
渡り廊下からも見えた四段重ねの梁もよく見えました。
客間の外はベランダみたいになっていますが、本来の目的は蔵を守ること。
扉の金具は鋼で当時のままだそうですが、現在でも錆びていない。音もせずスムーズに動くそうです。
扉のところのコテ絵は火止めかんなぎ。火が入ってこないようにというおまじないということです。
現在は多くのお宅で蔵や母屋を公開されている増田の街。実はこちら、佐藤又六家のご主人が初めに蔵を公開されました。それから徐々に他の家も公開されるようになったそうです。増田は内藏の街なので、表から見るだけではその凄さはよく分かりません。ただ一歩中に入ってみると、そには凄い蔵や建物があるのです。そんな増田の蔵が見れるのもこちらのご主人がきっかけを作ってくださったお陰なんですね。佐藤又六家のご主人をはじめ、公開してくださってる街の方に感謝して見学しましょう。
- スポット名佐藤又六家
- 料金300円
- 住所秋田県横手市増田町増田字中町103
- 秋田県横手市増田町増田字中町103
- 営業時間9:00~16:00
- 休業日不定休
- 駐車場無料駐車場有り
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