稲庭うどんだけじゃない!佐藤養助漆蔵資料館|秋田県横手市増田
稲庭うどんの名店 佐藤養助商店の資料館
秋田県横手市増田にある佐藤養助漆蔵資料館に行ってまいりました。稲庭うどんで有名な佐藤養助商店が経営されている資料館です。
内蔵の外観
こちらの内蔵は1921年(大正10年)に建築されたもの。土蔵造の2階建て、切妻造となっています。江戸時代の末期より材料の選定などを行っており、完成までに60年もの時間をかけたといわれているそう。これは驚きですね。最上級の材料と最上級の職人の技を結集した総合芸術品ということです。
扉は栗の木など堅い木で骨組みしてあり、粘土状の土で壁状にしてあるとのこと。そして黒漆喰で仕上げていくのですが、左右の扉のわずか数ミリしか遊びがないという凄い技術でできています。
蔵側面の扉も重厚なつくり。
外と内の壁に施されているのは漆喰。漆喰は雨を嫌うため、区画ごとに職人を割り当て分担して作業したそうです。白い壁は白漆喰、黒い壁は黒漆喰で仕上げてあります。ちなみに黒漆喰は白漆喰に松の油膜や黒雲母(鉱物の一種)を混ぜ合わせたもので、白漆喰よりも格段に高価なもの。これだけ黒漆喰を使っているというのは、それだけ手間暇とお金をかけているということです。
こちらは裏手の扉。
扉には家紋もありました。
土台に使われている石は、雄勝町院内(現在の秋田県湯沢市)より切り出された硬質の石。その石を職人が研磨し、幾何学的に積み上げたものです。基礎が高く通気口が4箇所も設けてあるため温度調節に優れており、4〜500年は耐えられるといわれています。
こちらがその蔵の中。光り輝いてます。
質な楢炭(ならすみ)をぎっしりと敷き詰めてある床下。湿度管理の役割を果たしています。また基礎の石と柱の栗の木も湿度管理に優れており、数役年の耐久性があるとのこと。
入口のすぐ左手にはガラス戸で囲まれた畳敷きの部屋がありました。
蔵の内部には漆塗りが施されています。能代春慶塗(秋田県)と浄法寺塗(岩手県)の技術が生かされているそう。かなりの手間隙をかけて丁寧に仕上げてあるので、建築から80年以上たった今も輝きを放っています。漆の保存のためにも接触は禁止です。
左手の壁には掛け軸などが展示してありました。
天井も光っていますね。
欄間は東北では入手困難な黒柿の木を使用。黒い木目は自然のもので、山並みに見えるように設計されています。ちなみに黒柿で黒い模様が出るのは1万本に1本とか。とにかく超貴重です。
蔵茶室
こちらは蔵茶室。蔵の中に茶室があるのは非常に珍しいそうです。
茶室には焼き物などが展示してありました。
反対側から蔵茶室を見たところです。
階段
入口の右手にあるこちらの階段から二階へ。
この階段は材料を丁寧に磨いて角をとり、曲線をだしてあります。他の柱より厚く漆塗りをしてるそう。大正時代の風情を残しているそうです。
二階
こちらが蔵の二階。
どこを見ても輝いている空間ですね。
天井板には温度と湿度を調整するため、あえて漆塗りをしていない杉を使用。屋根には火災時に備えて消火用の砂があったと伝えれています。
棟木(屋根の骨組みに使う水平な木材)には樹齢約200年の長い一本の杉をそのまま使用。非常に強度があるそうです。
また柱には栗の木。国産の木の中ではとても強度のある木材で、湿度調整もできる。柱の数は約900本もあります。そして梁は樹齢約300年の欅(ケヤキ)。カンナの刃が欠けるほど堅い木だそうですが、職人の技術によって仕上げられました。少し曲線状になっているので、真っ直ぐなものより数倍の強度を誇ります。木材の乾燥に少なくても35年以上かけたというのも驚きですね。
何から何まで抜かりなく、本当に芸術的な仕上がりになっている佐藤養助漆蔵資料館の内蔵。これほどの素晴らしい物を後世に残してくださったのは有り難いことですね。今回は時間とかの都合で佐藤養助商店の稲庭うどんを食べることが叶いませんでしたが、いずれはうどんをいただきたいと思ってます。
- スポット名佐藤養助漆蔵資料館
- 料金無料
- 住所秋田県横手市増田町増田字本町5
- 秋田県横手市増田町増田字本町5
- 電話番号0182-45-5430
- 営業時間9:00~17:00
- 休業日月曜日 年末年始
- 駐車場無料駐車場有り
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