神業!銀杏水切り仕上げの内蔵 山吉肥料店|秋田県横手市増田
芸術的な蔵がある山吉肥料店
秋田県横手市増田にある山吉肥料店に行ってまいりました。もともとは塩の卸しをされていた山吉肥料店。秋田には同業のお店が十件あったそうですが、みんな一斉に辞めてしまったそうです。
母屋
こちらが入口になります。
母屋内の様子。
右手は縁側です。
こちらは仏間。
上には神棚があります。
手前は仕事間。以前は帳簿とかをつけていたそうです。そして仕事間の奥は納戸。ご主人が生活されていた所だそうです。
そしてこちらはお座敷。客間になります。
お座敷から見た仕事間。
台所は現役で使われているそうです。
こちらの井戸も現役。
内藏
そして井戸の奥にあるのが内藏。内蔵は1933年(昭和8年)の建築で、増田では一番新しい蔵です。そして最後に造られた蔵でもあるそう。生糸で財をなして建てられました。高さは10メートルもあります。
表の扉の周辺の光輝く黒漆喰。ここは雲母(鉱物の一種)で磨いてあるので光っているそうです。黒漆喰は白漆喰よりはるかに高価なもの。この蔵がどれだけ価値があるか、その一端を表していますね。ちなみに扉の重さは約1トンもあります。
うち鞘は蔵を地震などの災害から守るためのもの。
このうち鞘の模様は麻です。麻は魔除けの意味もあり、丈夫で成長も早いということでした。
階段もがっしりとした造りです。
側面の扉も重厚感があって立派。
上にも扉があります。
通路の上には渡り廊下がありました。火事などの非常時は隅のハシゴから渡り廊下にのぼり扉を閉めるそうです。
後方から見た内藏。
そして裏手の扉です。
蔵の隅は銀杏仕上げとなっています。この銀杏水切り仕上げはまさに神業。建築関係の方も驚いたそう。
この左官の技術を100パーセントとすると、今の左官の技術は56パーセントと国の専門機関の方が言われるほどだそうです。
うち鞘は後方までしっかりと蔵を囲っていました。
土台となっている石は秋田県産のもので約5トンもあるそうです。
こちらの蔵はシンプルですが、黒と白と赤の組み合わせが素晴らしく化粧蔵と評されるほど。
物置ではなく冠婚葬祭用であるこちらの蔵。それ以外の用途では開けないようにとの先代の言い付けがあるため、中は非公開となっています
内藏の外側はこんな感じでした。
堰
横には堰(せき)が通っており、昔は堰に流れる水で洗濯とかをしていたそうです。
庭
内藏の後ろに広がるお庭。なんでも庭の紅葉は見事ということです。一番の見頃は11月に一週間あるかないか。まさに一瞬の輝きですね。ただ、そこからすぐに冬がはじまり、雪も多いので見頃が終わったら大変になるそう。冬は雪でハシゴが見えなくなくなったら雪下ろしをされるそうです。
奥には味噌蔵、塩蔵がありました。
蔵の隣にある洋室の離れ。
こちらは今は誰も住んでいない住居。
裏の門は裏通りに面しています。以前の裏通りは黒壁が続いていており、門には橋がかかっていました。周辺には家がなく山まで見えていたそうです。
記念写真
僕が熊本から来たとお伝えすると大変喜んでいただきました。僕も嬉しいです。記念写真まで撮っていただきました。
蔵の前にて。
神業の銀杏水切り仕上げの前です。ご主人とも一枚撮らせていただいたのですが、アップしても大丈夫か確認していないため、OKをいただけたら掲載したいと思います。
今回はご主人に案内していただいた山吉肥料店の内藏とお庭。丁寧に解説してくださいました。かつて皇太子様を案内されたのは一生の思い出だそう。何回も調査が入り、何度も練習され、本番はうまく説明されたそうです。僕は今回、夏の訪問だったので、叶うことなら秋に来てお庭の紅葉見てみたいと思っています。
- スポット名山吉肥料店
- 料金200円
- 住所秋田県横手市増田町増田字中町103
- 秋田県横手市増田町増田字中町103
- 営業時間9:00~16:00
- 休業日不定休
- 駐車場無料駐車場有り
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