西郷隆盛が設立した私学校跡｜鹿児島県鹿児島市

私学校跡

かの有名な西郷隆盛が設立した私学校跡を見てまいりました。鹿児島城（鶴丸城）のすぐそばにあります。

私学校は征韓論で論争に敗れた西郷隆盛が鹿児島に戻って設立した学校。不平士族（明治政府を快く思っていない旧武士階級）の統率や若者の教育を目的とした学校でした。

当時鹿児島にあった最新式のスナイドル銃の弾薬製造設備を、明治政府が搬出した事に対して私学校の幹部、生徒達の不満が爆発。草牟田にあった火薬庫を襲って武器を強奪しました。（俗に言う弾薬掠奪事件）。小根占（大隅半島）で猟をしていた際にこの知らせを聞いた西郷さんは「おはんら何たることをしでかしたか」と言ったといわれます。これを発端に鹿児島は西南戦争へと向かいます。

石塀の上には「明治十年戦役　弾痕」の石碑がありました。

銃弾跡

1877年（明治10年）5月、ついに西南戦争が勃発。ここ私学校跡の石塀にはその時の銃弾跡が残っています。この私学校が戦場となったのは西南戦争終盤の1877年（明治10年）9月のこと。いわゆる城山籠城戦です。

おそらく言われなければ全く気が付かないでしょうね。もともとそういう形の石に思えなくもない。

よく見ればかなりの銃弾の跡があります。激しい戦闘を物語っていますね。

石碑など

「私学校跡」の石碑。

「史跡　私学校跡　石塀」の木の板。

鹿児島大学医学部付属病院跡記念碑もありました。

現在、私学校跡は完全に街中に溶け込んでおり、観光で訪れるという方もそう多くないのではないでしょうか。戦の犠牲になった方々を忘れてはいけないですね。