酒田のお寺巡り 海晏寺〜海向寺〜浄福寺|山形県酒田市

北前船の拠点として栄えた酒田。その酒田にあるお寺巡りをしてまいりました。

海晏寺

まず参拝したのは海晏寺(かいあんじ)。曹洞宗のお寺ということです。

01入口

海晏寺のシンボルといっても過言ではない三重塔。

02三重塔

入口はこちらの山門になります。

03山門

三重塔は改築されて新しくなったそうです。

04三重塔

境内にも木が生えていて綺麗でした。

05三重塔

三重塔の前にある鐘。

06鐘

ほぼ同じ形のお堂が2つありました。

07お堂

08お堂

こちらは仏塔でしょうか。

09仏塔

六地蔵様もあります。

10六地蔵

そしてこちらがおそらく本堂。赤い屋根が印象的ですね。

11本堂

海向寺

続いて参拝したのは即身仏をお祀りすることでも有名な海向寺。

01参道

こちらの階段を登ります。

02階段

階段を登った先の右手にあった粟嶋水月観音堂。通称は”あわしまさま”といって、女性一代の守り観音様ということです。ご利益は縁結び、安産成就、子授け、婦人病の安泰など。江戸時代より信仰を集めているそうです。ちなみにこの粟嶋水月観音堂が建てられた当時のご住職、鉄門上人は湯殿山注連寺に即身仏としてお祀りされています。

03粟嶋水月観音堂

こちらは左手にあった鐘。

04鐘

粟嶋水月観音堂のお隣にある本殿。海向寺は仏様と神様を御祭りしている珍しいお寺です。参拝のお作法は二拍手に合掌。

05本堂

いわれてみれば確かに神社っぽい雰囲気もありますね。

06本堂

軒下には猿の彫刻もありました。

07本堂

08本堂

境内に置いてあった鬼瓦。

09瓦

こちらは即身仏堂。長年の修行の末に即身仏となられた忠海上人と明海上人をお祀りしています。即身仏とは肉体を保ったまま悟りを開いて仏になること。

10即身佛堂

その修行は過酷で、まずは山ごもりをして回峰修行(山の登り降り)や木食修行(もくじき、精進料理から15の穀類をぬいたものしか食べない)などを行います。筋肉や脂肪が残っていると腐ってしまうため、山ごもりによって皮と骨だけになるまで痩せる。

山ごもりを終えると体が弱っているのでお弟子さんに連れられてお寺に戻ります。そして深さ3mほどの穴を掘り、木製の棺にて地中に入る(土中入定)。中で修行者は鐘を鳴らしてお経を読み、鐘がならなくなったら修行が終わりということです。掘り起こして無事にお姿が残っていたら修行は成功。着物などを直して再び埋め、3年3ヶ月後に掘り起こすそうです。

体が丈夫でないと途中で亡くなった、断念せざるをえなくなる即身仏の荒行。海向寺に祀られているお二人は当時の平均寿命(40くらい)より長生きで、体格も平均身長(150くらい)より大きく、体が丈夫だったと思われます。

即身仏の表向きの目的としてはこの世で仏様になって人々を救いたいというもの。そしてもう一つはこの世に姿を留めることで修行を続けることです。人々を救いたいだけではなく、自分を高めれば、それが人々のためにもなるという考えもあるそう。偉いお坊さんも人間なので、人の為だけだと心が折れるということです。

ちなみに日本には16体の即身仏が確認されていますが、そのうち8体が山形県、さらにそのうち6体が庄内地方におわします。新潟県には4体なので山形県と新潟県に集中していますね。

浄福寺

そして私が最後に参拝した浄福寺。こちらの唐門は酒田の大地主、本間家三代当主の本間光丘が菩提寺(先祖代々のご位牌を納めるお寺)のために巨額の私財を投じて寄進しました。四脚門という形式で、耐震構造にも気を配ってあるそうです。

01唐門

浄福寺の境内。

06境内

正面の奥には本堂があります。

07本堂

向かって右手には手水舎。

08手水舎

左手には鐘があります。

09鐘

たまたま戸締まりにいらっしゃったご住職に少しお話を聞かせていただきました。私が熊本から来たとお伝えすると、実は浄福寺の開基(お寺を開いた人)はかつて熊本県菊池市一帯を支配していた菊池氏の三男と教えてくださいました。菊池氏はもともと藤原氏の家系だそうです。

南北朝時代に敗北した当時の次男・三男が東本願寺に出家。蝦夷(北海道)への布教を命じられ、そのまま東本願寺には帰らずに次男は秋田県に、三男は酒田で開山。ご住職も菊池さんとおっしゃるそうです。すごいですね。

本堂の瓦には菊の模様があり菊池氏をあらわしているそう。本堂は明治の大地震で倒壊。再建には本間家が7割を負担されたそうです。また昭和50年の大火ではお寺のすぐそばまで延焼。千数百軒が焼けてしまったそうです。風向きによってはお寺も危なかったようですが、何とか被害を免れました。

10本堂

本間家の援助をえて再建されたという本堂も立派です。

11本堂

いたるところに彫刻が施してありました。

12本堂

また本間家の菩提寺ということで、本堂の裏には本間家のお墓があます。

13本堂

唐門に菊の模様があるとお聞きして帰りがけに見てみるとありました。

02唐門

この唐門の扉にある菊の模様も菊池氏をあらわしています。

03唐門

唐門は本堂も倒壊した明治の大地震で唯一残り、1番古い建物。さすが地震に配慮したといわれるだけはありますね。

04唐門

数年前に解体修理を行ったそうです。

05唐門

この日はたまたま夕方に参拝したところ、偶然にもご住職にお話をうかがえて勉強になりました。浄福寺の開祖と私が同じ熊本出身というのもご縁を感じます。

  • スポット名
    海晏寺
  • 料金
    参拝無料
  • 住所
    山形県酒田市相生町2−3−33
  • 山形県酒田市相生町2−3−33
  • 電話番号
    0234−22−0227
  • 営業時間
    参拝自由
  • 休業日
    参拝自由

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