7年がかりの大豪邸!甲斐本家蔵座敷|福島県喜多方市

七年の月日をかけて造られた甲斐本家蔵座敷

福島県喜多方市にある豪商の家、甲斐本家に行ってまいりました。国登録有形文化財に指定されている貴重な建物。甲斐家はもともと蔵めぐりで行った吉志田集落あたりに住んでいた家柄といわれています。

01外観

かつてはフンドウカヒというブランド名で味噌や醤油を作っていた甲斐家。そのため裏手には煙突があります。

02蔵座敷入口

けっこう大きい煙突で、路地の向こうからでも見えました。

03煙突

この甲斐本家は蔵座敷を見学することができます。入口は煙突の右手。

04煙突

台所

まずは台所。4代目吉五郎(甲斐家の当主は代々、吉五郎を襲名)は新たに味噌と醤油の製造をはじめ、ここはその作業場でした。

05台所

こちらは井戸。この石は御影石をくり抜いたものだそうです。

06井戸

これは先ほど外から見えていた煙突。レンガの厚みは30センチ、周囲は4.2メートルもあるそうです。煙突は大豆を蒸す際に出る蒸気を逃がすのに使用されました。ちなみにレンガは喜多方のもので、焼いた後に漆を塗った上等なものだそうです。

08煙突

台所に展示してあった岡持ち。これで主人に食事を運んでいたそうです。

07岡持ち

長持ちも展示してありました。

09長持ち

10火鉢

台所の横にある蔵。

11蔵

こちらには調度品など様々な物が展示されています。

12蔵

鮮やかな絵付けがしてある陶器。

13蔵

徳利と左のは昔のレジでしょう。

14蔵

昔のお金。

15蔵

小判もあります。

16蔵

絵画にツボなど。

17蔵

水晶付きの龍の床置。

18蔵

この蔵を抜けるといよいよお庭と蔵座敷です。

19庭

風呂場

庭の入口付近にあるお風呂場。

20大理石の風呂場

なんと大理石でできているそうです。

21大理石の風呂場

天井は折り上げ天井のようになっていて手の込んだつくり。

22大理石の風呂場

奥座敷と庭園

蔵座敷の向かって右側のこのタイルは、中越地震で被害をうけたため取り替えられました。そのため左側とは色が違います。

23タイル

蔵座敷の戸のガラスの下に使用されているのは屋久杉。

24屋久杉

そしてこちらが蔵座敷。4代目吉五郎が新潟から棟梁を呼び寄せ、一緒に京都から北海道まで旅をして名建築物を見物。その後の1917年(大正6年)に着工し、7年もの歳月をかけて1923年(大正12年)にようやく蔵座敷・店蔵・母屋・庭園が完成しました。

25奥座敷

お座敷は上段の間(21畳)、下段の間(18畳)、畳廊下(12畳)の計51畳からなります。それぞれ本床と脇床があり、上段の間には書院が付いています。お座敷の二階は家財蔵。

26奥座敷

上段の間の床柱は鉄刀木(タガヤサン)と檜(ヒノキ)。書院の窓には黒檀(コクタン)を使用。また写真にはほとんど写っていないですが、欄間は一枚の板をくり抜いた筬欄間(おさらんま)といわれる物です。細い桟をはめ込んだように見え、とても元は一枚板とは思えません。そしてふすまと障子の縁は全て紫檀(シタン)を使用しています。

27奥座敷

下段の間の床柱は縞黒檀(シマコクタン)。お座敷の壁は隙間なく金箔の装飾を施してあります。畳は1979年(昭和54年)の畳更えまで一度も更えることなく使用できたそう。いいものは長持ちするんですね。費用については吉五郎が全て手配したため、確かなことは分かりません。予想としては当時のお金で15万とか30万といわれているそうです。ちなみに15万だったとしても、現在の価値に換算すると5億1500万円ほどとのこと。すごすぎますね。

28奥座敷

畳廊下の天井も抜かりなく凝ってます。

29天井

蔵座敷から洋間へと続く廊下。

32廊下

実は庭を眺めやすくするため、直線ではなくわざと角度をつけてあります。この微妙な角度は造るのが難しいんじゃないでしょうか。

33廊下

扉も頑丈そうですね。

34扉

庭園もとてもきれいです。

31庭

今でもちゃんと整備されているようですね。

30庭

35庭

蔵座敷は外壁を黒漆喰を塗ってあることから別名は烏城(うじょう)。同じく黒漆喰を使った岡山県烏城にちなんだものです。ちなみに黒漆喰は漆喰に松の油膜などを入れたもので、とてもとても高価。蔵座敷の用途としては冠婚葬祭のほか、吉五郎がお客さんを招いて酒宴をひらいたりしていたそうです。母屋は別にあるので無くても生活はできる。完全に余裕の文化ですね。今はこの文化がないように思います。

36庭

店蔵

こちらは表通りからも見える店蔵。

37外観

門もしっかりとしたつくり。現在も甲斐家の方がお住まいなので、ここから先は立入禁止。

38門

店蔵の向かって右手にある烏城西洋間。蔵座敷の廊下に続くのがこの部屋で、大正時代につくられた洋風の応接室です。

39鳥城西洋室

東日本大震災の前までは喫茶店として開放されていました。利用したかったです。

40鳥城西洋室

洋間の入口。

41螺旋階段

そして店蔵中央にある螺旋階段。欅(ケヤキ)の大木を削って造られており、現代でも難しい非常に高度な技術ということです。店蔵にはお土産物などが販売してありました。

42螺旋階段

甲斐本家の向かい側にあったレンガ造りの蔵。

レンガ蔵 甲斐本家向かい

甲斐本家に向かって左手にある吉五郎。ここは蔵座敷などが完成するまでの間に甲斐家の方が仮住まいとして生活された建物です。仮住まいにしてはというか、僕には普通に豪華な建物に見えます。

吉五郎

甲斐本家はどこを見てもぬかりなく、本当に凄いと言うしかない建物。手が込みまくっていてとても見応えがありました。これほどの物はそうそうお目にかかれないので、喜多方に来たらぜひ見学したい蔵だと思います。

  • スポット名
    甲斐本家蔵座敷
  • 料金
    大学生以上400円 高中小150円
  • 住所
    福島県喜多方市一丁目4611
  • 福島県喜多方市一丁目4611
  • 電話番号
    0241-22-0001
  • 営業時間
    10:00〜16:15
  • 休業日
    年末年始
  • 駐車場

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